勤労者退職給与保障法にもとづく韓国の退職金の計算(退職金制度のしくみ)
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韓国では、同じ職場で1年以上(週15時間以上)働いた人が辞めるとき、会社は退職金を払わなければなりません。雇用形態(正社員・契約社員・アルバイト)や国籍、ビザの種類は問いません。法定の金額は「平均賃金の30日分×勤続年数」です。
| もらえる条件 | 1年以上・週15時間以上の勤務 |
|---|---|
| 計算式 | 1日の平均賃金×30日×在職日数÷365 |
| 支払い期限 | 退職日から14日以内 |
このページでわかること
- 韓国の退職金がもらえる条件
- 平均賃金と退職金の計算方法
- 支払い期限(14日以内)と、払われないときの相談先
退職金の計算
使い方
- 入社日と退職日を入れます。退職日は「最後に働いた日の翌日」です(3月31日まで働いたなら4月1日)。
- 退職前3か月の月給(基本給に、毎月決まって払われる手当や残業代を加えた平均)を万ウォン単位で入れます。
- 年間の賞与や、使わなかった年次有給休暇の手当があれば入れます。なければ0のままで構いません。
- 在職日数、1日あたりの平均賃金、法定の退職金の目安が表示されます。在職1年未満なら「対象外」と出ます。
計算例
この計算機と同じ計算式で出した例です(税引前)。円換算は2026年10月26日の参考レートによる目安です。
例1:月給300万ウォンで2年間働いた会社員
2024年10月1日入社、2026年10月1日退職(在職730日)。退職前3か月(92日間)の賃金は9,000,000ウォンなので、1日の平均賃金は97,826ウォンです。退職金は5,869,565ウォン(約697,000円)になります。
例2:同じ条件で、年間300万ウォンの賞与がある場合
賞与の3/12(75万ウォン)が3か月分の賃金に加わり、9,750,000ウォンになります。1日の平均賃金は105,978ウォン、退職金は6,358,695ウォン(約755,000円)です。賞与があると、そのぶん退職金も増えます。
例3:時給10,320ウォン・週20時間のアルバイトを1年
週5日・1日4時間の場合、週休手当込みの月給の目安は1,073,280ウォンです(時給・週休手当の計算と同じ方法)。2025年9月1日から2026年9月1日まで(在職365日)働いて辞めると、退職金は1,049,947ウォン(約125,000円)です。
同じ働き方でも、2025年11月1日から2026年10月1日まで(在職334日)で辞めると、1年に満たないため法定の退職金は発生しません。退職日を決めるときは、在職日数が365日以上になるかを先に確認しておきましょう。
退職金がもらえる条件
- 同じ会社で継続して1年以上働いたこと
- 4週間平均で週15時間以上働いていたこと
この2つを満たせば、自分から辞めた場合でも、解雇された場合でも支払われます(勤労者退職給与保障法第4条・第8条)。外国人労働者、ワーホリのアルバイト、契約社員も同じです(雇用許可制のE-9ビザの人は、出国満期保険を通じて受け取るのが一般的です)。
日本では退職金は会社ごとの制度ですが、韓国では法律で決まった義務です。1年以上働いたなら、就業規則に書かれていなくても請求できます。
退職金の計算方法
退職金 = 1日の平均賃金 × 30日 × 在職日数 ÷ 365
1日の平均賃金 = 退職前3か月の賃金総額 ÷ その3か月の日数
賃金総額には基本給だけでなく、毎月決まって払われる手当や残業代も含みます。年間の賞与と、使わなかった年次有給休暇の手当は、それぞれ3/12を3か月分の賃金に加えます。
おおまかには「1年につき月給1か月分」と覚えておくとよいでしょう。具体的な金額は計算例をご覧ください。
支払い期限と、払われないとき
- 会社は退職日から14日以内に退職金を払う義務があります(当事者の合意で延長することは可能)。
- 払われない場合は、地方雇用労働庁に申告(진정)できます。相談は☎1350(雇用労働部顧客相談センター、外国語対応あり)へ。
- 帰国前に確実に受け取れるよう、退職日・口座・計算方法を会社と書面で確認しておくと安心です。
会社が退職年金(DB型・DC型)に加入している場合は、退職金が個人型退職年金口座(IRP)に振り込まれることがあります。帰国する外国人は一括で受け取れる場合が多いので、会社の担当者に確認してください。
よくある質問
- アルバイトでも退職金はもらえますか?
- はい。週15時間以上・1年以上働いていれば、アルバイトや外国人でも法定の退職金がもらえます。
- 1年未満で辞めたら退職金はゼロですか?
- 法定の退職金は在職1年以上が条件なので、1年未満では発生しません。会社独自の制度があれば別です。
- 年俸に退職金が含まれていると言われました。
- 年俸に退職金を含めて毎月分けて払う方法は、原則として退職金の支払いとは認められません。退職時に改めて請求できる可能性があるので、雇用労働部(☎1350)に相談してください。
- 退職金に税金はかかりますか?
- 退職所得税と地方所得税がかかります。勤続年数に応じた控除が大きいため、短い勤続ではほとんどかからないこともあります。
- 退職金はいつまで請求できますか?帰国したあとでも大丈夫?
- 退職金を受け取る権利は、3年間行使しないと時効で消えます(勤労者退職給与保障法第10条)。帰国後でも請求はできますが、連絡や手続きに時間がかかりがちです。退職前に、支払日・振込先・計算の内訳を会社と書面で確認しておくと安心です。
- ワーキングホリデー(H-1)の人も退職金をもらえますか?
- 同じ職場で1年以上・週15時間以上という条件を満たせば、在留資格に関係なく対象です。ただし、ワーホリの滞在期間は最長1年なので、同じ職場で365日以上働くケースは多くありません。在職日数が足りるかどうかは、上の計算機に入社日と退職日を入れると確認できます。
注意事項
- 計算結果は、法律で決められた最低額の目安です。会社の規程で、これより多く支払われることもあります。
- 平均賃金に含める手当の範囲や、休職・欠勤期間の扱いによって、実際の金額は変わることがあります。
- 退職所得税・地方所得税は差し引いていません。
- 退職金は原則として、本人名義の個人型退職年金(IRP)口座へ移す方法で支払うことになっています(勤労者退職給与保障法第9条第2項)。就労できる在留資格で働いた外国人が退職後に出国する場合などは例外とされているので(同法施行令第3条の2)、受け取り方は会社に確認してください。
- 金額や支払いをめぐって争いがある場合は、雇用労働部(☎1350)や地方雇用労働庁に相談してください。本ページは法律相談の代わりにはなりません。
根拠・出典
- 勤労者退職給与保障法 第4条・第8条・第9条・第10条(国家法令情報センター):対象者(1年未満・週15時間未満は除外)、30日分×勤続年数、14日以内の支払い、IRP口座への移転、3年の時効(2026年10月27日確認)
- 勤労者退職給与保障法施行令 第3条の2(国家法令情報センター):IRP口座への移転の例外(外国人の出国など)(2026年10月27日確認)
- 勤労基準法 第2条(平均賃金の定義):直前3か月の賃金総額÷その期間の総日数(2026年10月27日確認)
- 雇用労働部 退職金計算機(韓国語):公式の計算ツール(2026年10月27日確認)
- 雇用労働部(顧客相談センター ☎1350):賃金・退職金の相談窓口(2026年10月27日確認)
基準日:2026年10月27日。本ページの制度・数値は、この日に上記の法令・公式資料で確認した内容にもとづいています(円換算は2026年10月26日の参考レート)。制度改正があれば内容を見直します。